同期入社の友達が転職してしまった。

同じ歳で似たようなキャリアを積んでいたO君とは、入社した当時それなりに仲良しだった記憶がある。私の不得意なジャンルを専門としていた彼には、入社当時はお世話になった。しばらく使わないから、と1冊の専門書を3年ほど借りっ放しになっていた。彼はしばらくして職場を異動してしまい、ちょっと疎遠になって返す機会を逸していたのだ。

昨日がO君の最後の出勤の日だったので、同期の友達10人ほどで終電まで飲んでいた。転勤だの退社だので、だんだんと同期の数も減っていて寂しい。24時を過ぎて会社周辺の寮に住むみんなと別れ、ホテルに仮住まい中のO君とふたりで終電に乗りこんだ。


電車の座席に腰掛けると、突然O君は「髪をくるくる…と指で巻く癖は相変わらずだ」と言った。「指輪をしないのも相変わらずだ」と続けて言った。自分にそんな癖があることを指摘されて驚き(相変わらずだ…とゆうことは昔からの癖なのだろうか)、また、O君が私の指輪になんて注目していたのが驚きだった。…ああ、そうか。ここ2年ほどあまり会話もしていなかったので、私の周辺に起こった出来事を知らないのだ。それでも。疎遠になっていた期間も、私が彼とは仲良しだと思っているのと同様に、彼も私とは親しいと感じていてくれたのだろうか?誰かの記憶の中に、私の知らない私のことが在る…というのは不思議な感覚だった。

O君は同業他社に転職するので、しばらく同じ業界に居ることは確かだ。別に今の会社が嫌になって辞めるというわけではなさそうなので、そのうち戻って来るかも…なんて話をしていた。戻って来たくなったときに、私はとてつもなく偉くなっていてあげるから、就職したくなったら私のとこに来てw なんて夢みたいな会話していた^^;

私の降りる駅が来て最後に握手を交わして「頑張ってね」とお互いを励ましあい、私達はお別れした。そして、この人とは、もう2度と会えないかも知れない…と思った。


借りっ放しになっていた本は返せたのだ、良かった。